自己欺瞞の「箱」
自分の小さな「箱」から脱出する方法
Leadership and self-deception getting out of the box
Think Clealyを読み進めるうちに、どの章だったか忘れてしまったのだが、『自己欺瞞』という言葉があって、「これだ。」という直感がありました。
自分の行動や考えを正当化するために、相手の言動を不当なものと貶めて、だから自分は悪くないんだ、相手が悪いんだという主張にひたる行為。まさに自分のことです。
「自己欺瞞」をキーワードにブックレビューを検索してみて、ひっかかったのがこちらの書籍です。
たとえば、夜中にまだ0歳の息子が泣き始めた時、「自分が起き上がって、子供をあやしてあげた方が妻も休めて良いだろうな。」という考えが頭に浮かぶ。
だけど、実際には起き上がれず、子供は泣いたまま、自分は寝たまま。妻も寝たまま。
この「XXXした方がよいだろうな」という自分の感情を裏切る行為をした時が「自己欺瞞」の入り口です。
本当はやった方がよい、と感じたことに自分が背いたときに、その行為を正当化する理由付けが自分の頭の中で始まります。「いつもは起きてあやしているが、毎回できるわけではない。そのことが責められるべきではない」とか、「妻だって気づいているはずなのに何もいわないのは感じが悪い」など。
ただ、実際のところ、この例でも妻は何もしていない。何もしていないのに、一方的に責められ始めている。
人間は、自分が責められているということに敏感に察知する生き物なので、何もなかったはずのところから本当に二人の関係が悪化し始める。
すべては自分の感情に背くこと、から始まり、そこから自分を正当化する思考がどんどん重なり、やがてその思考に囚われつづける『箱』に入ってしまう。
この「箱」の概念が、実生活でとても活用しやすい。
どんな時でも、どんな場面でも自分が「箱」に入っているか、その一点を意識すれば、自己正当化の思考から離れられる、強力なツールです。
この「箱」の概念と、「感情の鳥たち」(Think Clearly 11章)をイメージしておけば、一時の感情に流されることもなく、客観的に会話に参加できると実感しました。
やはり、読書がもたらす知恵は本当に大事だと実感した次第です。