自分の感情に従えば、幸せは台無しになり Think clealy
本書は52の思考法が紹介されている。どれも大変に役立つものばかりだが、1回目の読書のなかでもっとも心に残ったのはこの二つ。
幸せを台無しにするような要因を取り除こう
問題を避けて手に入れる豊かさ
結論。よい人生は、究極の幸せを求めた結果として得られるものではない。馬鹿げたことや愚かな行為を避け、時代の風潮に流されなければ、人生はおのずとうまくいく
「何を手に入れたか」で人生の豊かさが決まるわけではない。「何を避けるか」が大事なのだ。
何があれば幸せになるか、何千年も考えてきて一向に具体的に定まらないが、何が人生を不幸にしうるかはいくらでも具体的にある。これらが「ダウンサイド」であり、具体的に判別できるもの。
アルコール依存、麻薬、慢性的なストレス、不安定な結婚生活、自分への過度の期待、孤独、被害者意識、怒りや嫉妬。
なんだかずっと自分を捉えてきたものばかりだ。
自分の感情にしたがうのはやめよう
|自分の気持ちから距離を置く方法
自分の感情を分析してみても、良い人生にはつながらない。
そうなんだ。自分の感情とは、自分の人格の構成要素であって、しかも、わりと主役な要素だと思っていました。
「なぜそう感じたのか?」「本当はどう感じて、どう考えていたのか?」そうやって掘り下げて考えていくことが、自分自身を知ることだと。
感情から距離をとれ、という。感情をコントロールしなくてよいの?
自分の感情なんて不確かでとらえようのないもの。他人の感情は読み取ることができる。
「感情」は飛んできては去っていく鳥のようなもの。
この考え方はすごい。感情をありとあらゆる種類の鳥に置き換えて、飛んできては去っていく、開け放しの広場ととらえる。いろいろな鳥たちがやってきて、とどまるものもあればとびまわるものもあり、やがてはみないなくなる。
このイメージをまねてみると、自分の感情が自分とは切り離して感じられるようになる。
自分がどう感じているのか、リアルタイムに客観的に感じられるようになる。こういう経験は今までの自分にはなかった。そうありたいと思っていても、一つの感情に振り回されていた。
色々な感情を取りに例えて、やがてすぐにいなくなるもの、と感じていると、感情そのものではなく、どうしてそのような感情を抱いているのか、そっちに考えが向くようになる。
同じように「周りの人の感情」も鳥に置き換えて、あの人の前にはこんな鳥がいるな、今はこの鳥に変わったな、ととらえると、言われている言葉やその裏にある感情に囚われず、どうしてそのような感情を持つに至ったか、どのように受け止めるべきか、すごく落ち着いて、相手の立場に立って考えることができる。
これこそが自分が長年、できないできないと嘆いていたことの一つであった。
このような実践方法を教えてくれた良書に出会えて、本当によかった。