birdiswitch’s diary

読んだ本を個人的に記録するためのもの

うさぎとニンジンを足したらどうなる?

ウサギが2ひきいました。ニンジンが3ぼんありました。あわせていくつになりますか。 

私の長男も1年生で、初めて学習する計算が足し算です。この『こどもと一緒にたのしくさんすう』という本では、教員である著者が、初めてさんすうに触れるこどもたちが直面する戸惑いを具体的に教えてくれます。

 

私たち大人からするとすっかり当たり前になっている概念が、まだ、頭の中にない子供達にとって、初めて出会った時にどう受け止めるのか、どんな紆余曲折をえて、正しい概念を納得していくのか、その気づきにいたる流れを実際の授業でのやり取りに見立てたライブ感の中で紹介しています。

 

冒頭の 例題、大人だと2+3=5、かな、と考えますよね?けど、ちょっと違和感があると思います。ウサギ2『ひき』とニンジン3『ほん』と単位が違ってます。これって足していんだっけ?という疑問です。

 

2ひき+3ほん=5

2ひき+3ほん=5つ

2ひき+3つ=5ひき

2ひき+3ほん=5ひきほん

2つ+3つ=5つ

 

授業では上の5つが子供たちから出てきた考えでした。大人の私としては最後の2つ+3つ=5つ があってる気がします。単位が揃っていますので。

 

子供達はどれが良い、あってる、どれも変、と言い合っているうちに「足し算はできないよ、ウサギがニンジンを食べちゃうから」と言う子が出てきます。結果、これは足し算ができない。足し算は単位が同じもの同士を合わせるもの、という考え方をまず学ぶ、のだそうです。

 

自分の子供にも、まず「単位」という概念をどうやって伝えていったらいいんだろう?と感じることがありましたが、小学校ってそういう当たり前の概念、感覚を皆んなで一緒に学んでいける、素晴らしい場所なんだな、と感じました。

 

ドリルとか問題を解くのではなくて、こうした新しい概念との出会いと習得こそ学びであり、仲間と一緒にああでもないこうでもないと学んでいくのが「学校」ですね。